07 野守 Nimori

五番目物

作者

世阿弥

役 cast

シテ

野守の老人、後に野守の鬼

ワキ

山伏

間狂言

所の者

あらすじ

「野守」とは 野を守る番人 のこと。 奈良の春日野には「野守の鏡」の伝説が伝わります。  野守の鏡 には二つの説があり、一つは「野守が自らの姿を映す水鏡」であるといい、いま一つは「昔、春日野の塚に住んで野を守った鬼神が持った鏡」だといいます。  ある春の一日。出羽・羽黒山(山形県にある修験道の霊場)の山伏が、奈良・春日野で野守の老人に出会います。老人から「野守の鏡」のことを教えてもらった山伏は「真の野守の鏡(鬼の鏡)」を見たいと願います。しかし老人は、「水鏡を見ておかれるのがよかろう」と、塚に姿を消します。〈中入〉 山伏は鬼の住むという塚に向かって一心に祈ります。すると、山伏の法力に応えて、野守の鬼が、「真の野守の鏡」を携えて現れるのでした。

うんちく

野守の鏡 という言葉は、元来は「野中のたまり水に、物の影が映るのを鏡に見立てた歌語」らしいです。 春日野の飛火の野守出でて見よ今幾日ありて若菜摘みてむ(『古今和歌集』春歌上) (歌意・野守よ、外へ出て見よ。もう幾日たって若菜を摘むことができようかということを。※早く若菜を摘みたいという気持ちを質問する形で表現している。) この歌は能《野守》《春日龍神》に引用される、野守を詠んだ代表的な和歌です。また次の歌は、鷹狩りの際に肝心の鷹を見失い、野守に尋ねたら、野守の水鏡に映っている鷹を発見できた、というエピソードに基づく歌です。(なお、この歌は、恋の歌なんですね。) はし鷹の野守の鏡得てしがな思ひ思はずよそながら見む(『新古今和歌集』) (歌意・鷹をも見つけられる鏡が欲しい、あの人の心の中が見られるだろうから)

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テキスト:田茂井廣道

Photo by kuma.one , 金の星写真場

能楽師による
「うんちく」

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